【はじめに】中古購入1500㎞ ⇒ 8000㎞走行して思った事
2021年2月現在、8000キロ走行したインプレッションのお話しをさせてください。
2020年6月に、現在のAMPの愛車である【XL1200CX roadster】を購入して、はや8か月。
ほぼ新古車1500キロの状態から換算して、およそ6500キロ走って第一に思ったことは、
私が思っていた以上に扱いやすいということ。
ハーレーって、めちゃ重たくてデカい車体で、ムキムキのピチピチシャツと革ジャン着た、
陽気なおじさまが乗る乗り物という先入観(偏見以外の何物でもない)もあったので、
これは素直に驚いています。
同社のストリートグライドなどを筆頭とするハーレーファミリーの中では、私の乗る
スポーツスターファミリーは非常にコンパクトで、扱いやすさに定評のある車体です。
なにぶん、前の車両がCBR250RR(MC51)であったため、小型の車両と比べ、
確かに大型特有の取り回しの難しさは感じることもあります。
ただ正直に言うと、これなら許容範囲内というか、もっとしんどい思いをすると思っていた分、
想像以上に乗りやすい車体です。
以下のインプレは前車両のCBRと比較するため、人によっては参考にならないかもしれません。
逆に、小型の軽量スポーツバイクから乗り換え検討されている方は、車両選定の一助に
なることが出来れば幸いです。
【前車両との比較について】CBR250RR(MC51)との差異
一番の違いは、排気量。
およそ5倍近い差が御座います。
CBRが250ccに対し、XL1200CXは1200ccですので、その分、エンジンのパワーが段違いです。
CBRが高回転を回して最高出力を絞り出すのに対し、XL1200CXは低速トルクを効かせて
背中を押し出すように加速していきます。
レブリミットが6500回転前後なので、CBRの半分くらいしかありませんが、
どの回転域でもスムーズに回るため、特別乗り辛いと感じたこともありません。
(これまた偏見で、買う前はものすごくギクシャクした走りなんだろうなと思っていました…)
ハーレーはエンジン性能を開放する、インジェクションチューニングというチューンも
有りますが、いまのところは純正仕様でも違和感は無し。
ただ、これはニーハンからの乗り換え故の感想かもしれません。
国産大型からの乗り換えだと、また別の感想を抱くのかも…。
また、ハーレーはよく、馬に例えられることがありますが、振動と鼓動感含め、
ドドドドッという力強さは、ニーハン軽量バイクには無い魅力だと思います。
また、CBRは軽量であるため、峠道などのコーナーであっても比較的ヒラヒラと楽に曲がりますが、
スポーツスター系はミッドコントロール(後で説明します)であることから、
ステップに荷重を掛けてしっかりバイクを曲げていくイメージです。
CBRはフルカウル、XL1200CXはアメリカンなので、走行時の風圧は後者の方がきついです。
ただし車体重量が下向きで安定しているので、フルカウルに比べて風に煽られにくいと感じます。
スポーツスター系の車重は乾燥重量で260キロ近いため、押し引きに多少の力は要りますが、
加重が下に集中しているため、しっかりと腰で支えて動かせば不安はありませんでした。
どちらが扱いやすいかと言われるとCBRに軍配が上がるのですが、
どちらが乗っていて楽しいかと言われると、AMPは今ではXL1200CXですと答えると思います。
【車両スタイルについて】カスタム自由度が青天井
ノーマルのスタイルはまさに、THE・アメリカンって見た目です。
革トランク積んで出かけた日には、長旅したくなるような気分にさせてくれます。
無骨なエンジンに対し、艶のある小ぶりなピーナッツタンク。
倒立フロントフォークや純正でカフェレーサー風の見た目など、なんというか、
【ハーレー=大きなクルーザータイプ】をイメージされる方からすると、
あんまりハーレーらしくないハーレーですね。
勿論、AMPはそこが好きで購入しましたけれど。
シートの着座位置は標準であれば、比較的アップライトなポジションなので、
そこまで大きな体の負担は無いと思います。
シートの高さも785㎜なので、身長170センチ程度の自分でも足つきに不安は無し。
(CBRも似たようなシート高でしたし…)
剛と柔を兼ね備えた見た目、スタイルは、この車両ならではの魅力です。
スポーツスターファミリーの見た目が好きなら、ぜひ検討してみて下さい。
スポーツスターのエボリューションエンジンはコンパクトながらとても美しいんですよ?
どうですか?男心をくすぐりませんか?ドキドキしてきませんか?
また、ハーレーは自社パーツも豊富ながら、サードパーティー製のパーツが国内外に盛り沢山。
ヘッドライトだけでもカスタム用品が沢山あり、よりどりみどり。
その数は、国産バイクの比ではありません。
もはや、星の数ほどあると言っても過言ではないほど、尋常じゃないパーツの多さです。
(AMPのセパハンなど、あえてきつい姿勢を強いられる拷問アイテムもあります)
そのパーツ群の中から、自分の好みに合ったものを選び、自分だけのバイクに仕上げる喜び。
これは、ハーレーのバイクならではだと思います。
フルノーマル車両を、私のようなカフェレーサーにするもよし。
他にもチョッパー、ボバー、フリスコなど、ライダーの数だけカスタムがあり、
自分の理想のバイクを作りたいと思っている方に、非常にお勧めです。
(その分、カスタムにハマると諭吉は次々蒸発し、カスタム沼から抜け出せなくなります…)
【走行性能について】当然ながら、国産軽量とは違う乗り味
空冷エボリューションエンジンは、非常にトルクフルな走りをしてくれます。
急な坂道でもグイグイ上っていきますし、重い車体を押し出しながら加速する様は、
軽量バイクでは味わう事ができない感覚です。
高速での合流、加速も不足など感じない、スムーズなシフトフィールです。
鼓動感、振動感はありますが、手が痺れるといった致命的な影響などはなく、
程よくライダーを楽しませてくれる、絶妙な塩梅に仕上がっています。
(現行のラバーマウントタイプのエンジンの話ですので、旧型のマウントは知りません(笑))
無論、重さゆえのデメリットもあり、タイトコーナーではしっかり体重をかけて曲がらないと
動いて行かないなどもございます。
それと、この車両…。
ニュートラルだけは、本当に入り辛いです。
これは、新車のスポーツスターファミリーにある持病らしいです。
慣れもあって、最初の頃よりはニュートラル位置が分かるようになりましたが、
最初の内は「信号待ち」⇒「Nに入れようとモタモタ」⇒「青信号」のコンボ頻発。
これはとても苦痛でございました(笑)
また、近頃のバイクにしては珍しく、5速MTタイプのシフトです。
6速に慣れていると「あー、ここで6速欲しいなー」と思うこともありますが、
普通に法定速度で走る分には十二分な出力を持っています。
最高速度は不明です。なぜならカウルが風圧を逃がす形状ではないため、
最高速に達する前にライダーが付いて行けないからです。
スクリーンなどが無いと、100超えの高速域は苦痛です。
(実際、友人のフルカウルについて行こうとすると、速度より先に風圧に負けます)
そもそも速さを競うバイクではないと思いますし、AMPは安全第一、法定速度順守して
十分楽しく乗れています。
なお、燃費はこのクラスのリッターバイクでは優しい方で、およそ1Lあたり20㎞ほど。
ただし、燃料タンクは12.5Lしか入らないため、私のような旅好きは200㎞ほど
走ると給油しなければならないのが少し面倒。
まぁ、この小さいタンクが、バイクの美しさの一因でもあるんですけど(笑)
それと、このバイクは標準がミッドコントロールと呼ばれる着座姿勢です。
感覚としては椅子に腰かけているイメージなのですが、以前乗ってた車両がマイルドな
バックステップ&セパハンだったため、慣れるまで荷重移動が難しかったです。
また、私の場合、セパハンカスタムされているので、腰から上だけが前屈になるため、
腰に強い負荷がかかります…。
ノーマルであれば、まだ負担はマイルドだったのでしょうけど…。
次回の車検を通し次第、早急にバックステップへの交換も視野に入れて動いておりますが、
もしセパハン検討の方は身体的負荷がかなり強くなると覚えておいてください。
【各種・操作感について】軽いバイクからの乗り換えは面食らう
まず、気になったのは重さに起因するブレーキの利き具合。
CBRが比較的浅いブレーキタッチでもしっかり効くのに対し、
XL1200CXは予備動作含めやや強めにブレーキを掛ける必要があったことが気になりました。
(今は感覚をつかんで、多少マシになったんですけど…)
ダブルディスクブレーキですし、決して効きが悪いわけじゃないんですけど、
もう少し軽い動作で止まることが出来ればと思った次第です。
あと、何度も書くように、軽量バイクと曲がり方が全然違うから、最初はテンパります。
慣れないうちは、ハーレーに限らず、安全運転でバイクの動作を覚えましょう。
【メンテナンスについて】良い点もあれば、悪い点も…。
ハーレーで一番助かっているところは、ずばりベルトドライブ。
これ、チェーンドライブと違って、注油やさび落としなどのメンテがフリー!
雨の日のあとの注油や清掃がないっていうことが、いかに楽か痛感しました。
ただ、日常メンテナンスが無い=点検がおろそかになるってことなので、
気付かぬうちに重大な損傷が出ている…、なーんてこともあり得てしまいます。
特に、ハーレーは振動に起因するボルトのゆるみなどが発生しやすいため、
長旅の際は細心の注意が必要です。
(買い始めのころ、このボルトのゆるみで苦労させられましたが、それはまた別の話…)
なので、洗車時などにベルトの亀裂やボルトのゆるみなどを都度確認し、
トラブルを未然に防ぐ行動も必要になってきます。
ひいきにするショップやディーラーがあれば、そこにお任せするのが一番ではありますけど、
自分で一通りメンテをされる方は、注意が必要です。
それ以外は、一般的なバイクと同じくオイルなどの消耗品に気を遣ってやれば、
大きな不具合も無いかと。
【総評】欲しければ買おう。後悔は、買ってからしよう。
AMPはXL1200CXを買って色々トラブルにも見合われましたけど、
それなりに楽しく乗っています。
今では、旅に欠かせない大事な相棒です。
色々とグダグダ書きましたけど、結論として言えば、
「今のタイミングで欲しければ買いなんじゃないでしょうか?」と思います。
恐らく、世界的な流れを見ても、EV化は今後進んでいくでしょうし、それに伴ってバイク含めた
ガソリン車の排除は進んでいくように感じます。
(いきなりすべてが無くなるわけではないでしょうけど…)
また、メーカーであるハーレーダビッドソンの体力(販売規模や売り上げなど)も、
年々衰えているように思いますし、それは現行のラインナップからロードスター含めた
車両の一掃からも見て取れます。
スポーツスターファミリーも、いつまでラインナップにあるか分かりませんし、乗れなくなって
「あぁー、あの時に無理してでも買っておけば良かったー…」
と思うことが、本人にとって一番つらい事だと思います。
勿論、買ってから色々と思う事も出てきますし、国産と比べて面食らうことも多いですが、
それでも好きな人には堪らない、何だかんだ乗ってしまう魅力があるバイクです。
(AMPもとあるトラブルで、一度、本気で手放そうか悩んだこともありますが…)
高い買い物であるのも理解していますし、皆さま、色々な事情で踏ん切りが
つかないこともあると思います。
あまり無責任な、身勝手なことばかり言えませんが、もし迷っているのであれば、
乗れるうちに乗っといた方が後悔しないかと。
グダグダなインプレでしたが、検討する方の一助となれば幸いです。
スポーツスターを検討する方に、素敵なご縁が巡ることを願っております。
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